講演会(月経困難症治療での薬剤選択とアリッサ配合錠を使用した臨床経験)
- 2026年3月26日
- 医療コラム
2026年3月25日 富士製薬工業株式会社北関東埼玉営業所の社内勉強会に講演会の演者としてお招きに預かり講演をおこないました。


最近、クリニックでは婦人科診療よりも美容診療の方に携わることが多くなり、ご無沙汰している婦人科の患者様も多く心苦しいですが、婦人科診療においても今回のような外部の勉強会を通じて、しっかり知識の整理とアップデートを図り、院内のスタッフや医師へのフィードバックをおこなうことで、当院へご来院くださる患者様のお役に立てるよう日々研鑽しております。
「病院なんて、どこに行っても治療方法は同じでしょ?」と思われている方もいらっしゃると思いますが、はっきり言って違います。
同じなのは診察料だけです。
違うのは、クリニックに所属している勉強熱心な医師がいれば、最新の知識を習得し、患者様に最適な治療方法を数ある治療方法の中から選択して提供することができるのです。
不勉強な医師がいるクリニックでは、10年~20年前の治療方法をいまだにやっていたり、最新のお薬ではなく、以前からある古くて副作用の強いお薬をいまだに処方し続けていたりすることもあるのです。技術もしかりです。
勉強熱心な医師か不勉強な医師かを見分ける方法は、いま通っているクリニックの医師が、所属学会で発表をしていたり、論文を書いていたり、外部の勉強会や講演会で講師をしていたりしているかをホームページで確認することで調べることができます。
所属学会に所属しているだけとか、以前〇✖病院の部長をしていたとかではダメです。部長なんかは、業績は関係なく、医者になってからの年数だけで自動的に部長職になれるのですから。部長という役職に満足してしまって、部長という肩書だけのまったく勉強しない医師をたくさん見てきました。
毎日患者さんがいっぱいで、とても発表や講演の準備ができないからできないというのは言い訳の常套手段です。
忙しくてもちょっとの時間でも勉強をする、休診日に講演の準備をすることはできますし、それは必ず患者様の役に立つことであると信じればできるはずです。やらないための言い訳を考える前に、教科書を読む、論文を読むことで、患者様のお役に立つための何かが見えてくるのです。
今回は、本当は忙しかったのですが、休診日を使い、診療日も合間の時間で準備して昨日の講演に間に合わせました。
前置きが長くなりました。
さて、いつも患者様に処方しているお薬の製薬会社の社員の方々に向けた勉強会ということで、お薬の専門家に対してお薬の内容での講演でということで、いっそう身が引き締まる思いで臨みました。

講演タイトルは、「シュシュレディースクリニック戸田公園における月経困難症治療での薬剤選択とアリッサ配合錠を使用した臨床経験」です。
「アリッサ配合錠」とは、2024年12月に富士製薬工業株式会社より発売された、重い生理痛(月経困難症)の治療を目的とした最も新しい超低用量ピルになります。
「アリッサ配合錠」の特徴は、日本初の「天然型エストロゲン(エステトロール:E4)」を配合した低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)で、いままでの低用量ピルと違い、この「天然型エストロゲン(エステトロール:E4)」が、ピル特有の副作用を軽減すると言われています。「天然型エストロゲン」とは何か?「天然=自然界にあるもの」の意味で、洗剤でも「天然素材で創られた・・・」など聞いたことがあると思いますが、それと同じです、もともと、体内に存在しているエストロゲン(女性ホルモン)を使って作られているので、分かりやすく言うと「体にやさしい」ということになり、特に低用量ピルの重大な副作用である血栓症の発生率をかなり低く抑えられることが理論的に言われています。
ですので、「血栓リスクのある40歳以上の方」や、「初めて低用量ピルを服用したいけれども副作用が怖い」という方にお勧めできる低用量ピルがアリッサ配合錠ということになります。
2025年3月~2026年2月に当院を受診した月経困難症の患者様は715名いらっしゃいました。
当院での月経困難症の治療方法は、①低用量ピル、②ミニピル ③ミレーナ ④漢方の4つの選択肢があり、それぞれ①52% ②34%、③4%、④10%でした。大半が低用量ピルでの治療でした。
低用量ピルでの治療を行っている患者様は全部で363名でした。
シュシュレディースクリニック戸田公園での後方視的な調査では、今回主題のアリッサ配合錠の他に5種類の低用量ピルが処方されていました。
余談になりますが、低用量ピルにたくさんの種類があるのは、それぞれでその目的が微妙に違うからになります。
今回の調査では、アリッサ配合錠は当院で処方されている低用量ピルのうちわずか3%でしたが、これは、アリッサ配合錠が発売されてからあまり日にちが経っていないため、まだ広く認知されていない可能性があると思われます。
この勉強会の質疑応答では、①アリッサ配合錠はどういう患者様にお勧めできるか?②副作用の程度は他のピルと比べて重いのか?など、数多くある他の低用量ピルとの違いや優位性についての質問が多かったです。
アリッサ配合錠での当院での処方例はまだまだ少ないため、今後、副作用を懸念されるピル初心者の方、40歳以上の血栓症リスクが上がる方などを対象に処方させていただくことになると思います。
いま服用しているピルからの乗り換えも可能ですので、ご興味のある方は是非外来受診の際にご相談ください。
シュシュレディースクリニック戸田公園
院長 前出喜信
