
カンジダの症状と治療方法
カンジダの症状と治療方法
カンジダと呼ばれる真菌(カビの一種)の増殖によって起こる感染症を「カンジダ症」といいます。
「デリケートゾーンがかゆい」「カッテージチーズのようなおりものが出る」こうした症状で悩んでいる方は、「カンジダ症」の可能性があります。
カンジダは、実は誰の体にも存在する常在菌の一つであり、ほとんどが免疫力や生活環境の変化によって発症する病気です。
また、性行為をきっかけに傷ができて、もともと持っていたカンジダ菌がその傷から入って症状が出るというケースもあります。
そうした特性から、カンジダを性病だと思っている方は意外と多いですが性病ではありません。性交未経験の方にも発症します。
性交渉によって症状が悪化することはありますが、他人に感染させることはほとんどありません。
カンジダはカビであり、口の中や皮膚など日常生活の中にも存在しています。
ではなぜ、症状が出る人と出ない人がいるのでしょうか。
それは皮膚や膣粘膜のバリア機能が傷などで弱まると、カンジダが侵入しやすくなるためです。
このとき免疫反応が起こり、炎症・かゆみ・赤みなどの症状が出現します。
男女ともに見た目だけでは判断が難しい場合があり、培養検査が必要です。
カンジダ症の治療は、症状の確認から再発防止までを段階的に行います。以下では一般的な治療の流れをわかりやすくまとめています。
ステップ | 内容 | ポイント |
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① 問診・診察 | まず、症状(かゆみ・おりもの・痛みなど)の詳細や発症時期、過去の治療歴、性交渉の有無などを確認します。 医師が外陰部や膣内の状態を視診し、必要に応じて検査を行います。 |
他の性感染症との区別が重要です。 |
② 検査(培養・顕微鏡検査) | 膣分泌物や皮膚を綿棒で採取し、顕微鏡や培養によってカンジダ菌の有無を確認します。 細菌性膣炎やトリコモナス膣炎など、他の疾患の除外も行います。 |
正確な診断が適切な治療につながります。 |
③ 治療開始(抗真菌薬の投与) | 症状や重症度に応じて、 ・膣錠(腟内に挿入) ・外用クリーム(外陰部に塗布) ・内服薬(再発性の場合) などを使い分けます。 治療期間は通常1週間前後です。 |
医師の指示に従い、自己判断で中断しないようにしましょう。 |
④ 経過観察・再診 | 治療後に症状が軽快しても、菌が残っていることがあります。 必要に応じて再検査を行い、完治を確認します。 |
再発を防ぐために、完全に治るまで治療を継続します。 |
⑤ パートナーへの確認・再発予防 | パートナーにも症状がある場合は、同時治療を行うことで再発リスクを下げます。 再発予防のために以下も意識しましょう。 |
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多くの方は、適切な治療を行えば1〜2週間程度で完治します。
ただし、症状を繰り返す場合は、生活習慣や体調面の見直しも必要です。
夜も眠れないほどのかゆみで来院した患者様。培養検査で「カンジダ性外陰炎」と診断。
抗真菌薬を処方し、1週間で症状は改善しました。
臭いを気にして洗いすぎたことが原因で、皮膚に傷がつき、炎症が悪化していました。
歯科治療で抗生物質を服用後、性器の異変を訴え来院。検査でカンジダが検出されました。
抗生物質による「善玉菌」の減少で膣内環境が乱れたことが原因でした。
パートナーの性器のかゆみをきっかけに受診。カンジダではなく、クラミジア感染が判明。
このように、症状が似ていても別の疾患である場合があるため、医師の診断が重要です。
軽症であれば自然治癒することもありますが、再発するケースや悪化するケースも多く見られます。
市販薬での治療も可能ですが、改善しない場合や再発を繰り返す場合は必ず受診しましょう。
カンジダを繰り返す原因として、ストレス・疲労・ホルモンバランスの乱れ・洗いすぎ・抗生剤の乱用などが挙げられます。
生活習慣を整え、免疫力を高めることが再発予防につながります。
女性では「クロトリマゾール」「ミコナゾール」などの抗真菌薬が市販されています。
ただし、次のような方は必ず医師に相談してください。
男性の場合は市販薬での治療が難しく、医師の処方が必要です。
カンジダ症は誰にでも起こりうる病気です。軽症なら数日で治りますが、放置すると慢性化することもあります。
「かゆみ」「おりもの」「臭い」などに気づいたら、早めに婦人科を受診してください。
正しい治療と生活改善で、再発を防ぐことができます。
性病ではありません。カンジダ菌は常在菌であり、誰の体にも存在しています。免疫力の低下などで自己増殖して発症することが多いです。
軽症であれば自然治癒することもありますが、再発の恐れがあるため受診がおすすめです。我慢できない程の痒みや痛みを感じるような重度の症状が出ている場合はすぐに医師に相談してください。
カンジダを繰り返す場合やパートナーに症状がある場合は、同時治療が望ましいです。
通気性のよい下着を着用し、ストレスや睡眠不足を避け、デリケートゾーンを洗いすぎないことが大切です。
体調やホルモンバランスの乱れ、抗生剤使用、洗いすぎ、ストレス、性行為による損傷などが関係します。