
中絶手術の跡や履歴は判明する?
中絶手術の跡や履歴は判明する?
中絶手術の跡が他人に気づかれるのではないか――。手術を検討する際、多くの女性が抱く大きな不安の一つです。ここでは、外見から分かる可能性や医師の診察・医療記録などから推測される可能性、そしてプライバシーを守るための工夫について、詳しく解説します。
日本で一般的に行われている吸引法や掻爬(そうは)法、初期の薬による中絶は、いずれも子宮内部に処置をする方法です。お腹を切る開腹手術ではないため、皮膚表面に傷痕が残ることはありません。服を着ている状態はもちろん、裸でも手術痕が目に見えて残ることはほとんどなく、パートナーや家族が外見だけで気づく可能性は極めて低いといえます。
外見では分からなくても、手術から数日〜数週間は子宮内膜やホルモン値に特徴的な変化が残るため、内診や超音波検査で「最近子宮内に処置があった可能性」が分かる場合があります。ただし、数か月経てば子宮内膜は回復し、医師でも診察だけで過去の中絶を断定するのは難しくなります。
ごくまれに、掻爬法などの処置によって子宮内癒着(Asherman症候群)が起こることがあります。これが原因で生理不順や不妊につながり、将来の検査や不妊治療の過程で「以前に子宮内で手術を受けた可能性」と医師に推測される場合もあります。ただし、きちんとした医療機関で行われた場合には、発生は稀とされています。※当院では安全なMVA法のみを採用しています。
中絶は医療行為のため、病院にはカルテや手術記録が残ります。医師や医療従事者には守秘義務があり、本人の同意なしに第三者へ開示することはできません。ただし、健康保険を利用した場合は保険組合の明細に「手術」「処置」などと記載される場合があり、家族と保険明細を共有している場合には事前に確認すると安心です。
経路 | 具体例 | 見破られやすさ | 主な対策 |
---|---|---|---|
外見 | 傷あと・服装・体型の変化など | 低い | 外科的切開は通常なし。外見での推測は非常に困難。パートナーに手術の痕跡がバレるリスクはほぼ0 |
診察/検査 | 内診、経腟エコー、採血、画像 | 中程度(時期依存) | 直後は子宮内の所見で推測されることあり。時間経過で判別困難に。 |
医療記録 | カルテ、手術記録、紹介状 | 中程度 | 守秘義務と本人同意が原則。開示は法的手続/本人同意時に限る。パートナーや家族にバレることはほぼない。 |
請求/明細 | 領収書、クレカ履歴 | 中程度 | 支払方法/明細の共有範囲を事前確認。明細記載名の確認。管理・破棄の徹底。 |
デジタル痕跡 | SNS、チャット、位置情報 | 高い(自己開示) | 投稿やメッセージの共有は慎重に。端末のロック/通知設定を見直す。 |
中絶手術の跡が外見から分かる可能性は極めて低く、医師の診察でも時間が経つにつれて判別は困難になります。ただし医療記録や明細の管理方法、まれな合併症などを通して医師に推測される可能性はゼロではありません。安心のためには、信頼できる医療機関で適切なケアを受け、アフターケアや診察を行い。適宜自己責任でプライバシー対策をとることが大切です。