中絶時の後遺症や合併症の可能性|シュシュレディースクリニック 戸田公園|埼玉県戸田市の婦人科・美容皮膚科

         
土曜も午前・午後
診療しています
〒335-0022埼玉県戸田市上戸田2-7-9
TEL,048-242-8088
ヘッダー画像

中絶時の後遺症や合併症の可能性

中絶時の後遺症や合併症の可能性|シュシュレディースクリニック 戸田公園|埼玉県戸田市の婦人科・美容皮膚科

中絶時の後遺症について


  • 適切な医療体制下で行う初期中絶は安全性が高く、重大な合併症は稀です。安全性は妊娠週数が早いほど高まります。
    ※当院では後遺症・合併症が起きたことはございません
  • 一度中絶しても将来の不妊リスクが高まるという一貫した科学的証拠はありません。中絶後は早期に妊娠する可能性もありますので避妊を準備します。
  • 中絶そのものが精神疾患の原因になるという証拠は乏しく、多くの方は時間の経過とともに落ち着きます。一方、望まない出産を強いられた場合の不利益は明確です。
  • 不衛生・違法環境での中絶は重篤な合併症や死亡の重要な原因になります。安全で尊重あるケアへのアクセスが何より重要です。

中絶時の後遺症などよくある質問

中絶後遺症(合併症)の発生データと主な症状

代表的な発生頻度の目安

方法 合併症(全体) 重大合併症の代表値 補足
薬物中絶(初期) 数%前後 0.5%未満とする報告が中心 週数・診療体制により異なります。
吸引法(初期・外来) 1〜2%程度 0.1〜0.3%未満(入院・輸血等) 熟練度や超音波使用で差があります。

※数値は海外の臨床データの代表値を要約しています。実際のリスクは妊娠週数、既往歴、医療体制で変わります。

主な症状とセルフケア・受診目安

症状 タイミング 初期対応
出血(生理〜やや多い) 数日〜2週間 ナプキン交換で様子をみます。万が一出血が続くときは受診してください。
下腹部痛・子宮収縮痛 数日 鎮痛薬で軽減します。激痛・発熱・悪臭のある出血は感染の可能性があるため受診してください。
不全流産・持続妊娠 〜2週間 超音波で問題がないか確認します。

参考:米国アカデミーズ総括・方法別安全性レビュー。

「一度中絶すると妊娠できない」は本当ですか?


現時点の学会・公的機関の見解では、中絶が将来の不妊を増加させるという因果関係は支持されていません。また、中絶後はすぐに排卵が再開して妊娠するケースが多いので、避妊の準備を早めに整えることをおすすめします。

PTSD発症のエビデンス

心理的影響には個人差がありますが、中絶そのものが精神疾患の原因になるという一貫した証拠はありませんと専門学会は整理しています。望んだ中絶を受けられなかった場合には、経済・健康・安全面での不利益が大きいことが長期追跡のデータで示されています。

研究からわかること

  • 中絶後5年で95%超が「正しい決断だった」と回答しています。
  • 罪悪感や悲嘆は一過性に生じることがありますが、時間とともに軽減しやすいです。必要時は専門家につながります。
  • 望まない出産の強要は、生活の困難や安全性の悪化を招きやすいです。

術後の感想

  • 「安堵と喪失感が同時にわきましたが、家族や友達とのコミュニケーションにより落ち着いていきました」
  • 「数日出血が続きましたが痛みはほとんど感じず、当日の食欲も変わりませんでした」
  • 「特に後遺症もなく、手術1か月後には生理が来ました」

こんな症状があればすぐに連絡を

状態 自宅ケア可 24時間以内に相談必須 至急/救急連絡を
出血 生理〜やや多い 1時間に1枚が3時間以上 1時間に2枚以上が2時間以上/失神感
発熱 なし〜37.9℃ 38.0℃が半日以上 38.5℃以上+悪寒や悪臭帯下
痛み 市販鎮痛で軽快 鎮痛でも強い痛みが続く 急激な激痛/右肩痛(子宮外妊娠疑い)
メンタル 軽い気分の波 不眠・不安が続き生活に支障 自傷念慮/フラッシュバックが強い

メンタル・セルフチェック(2週間以上続くときは相談します)

  • ①興味や喜びの低下
  • ②気分の落ち込み
  • ③睡眠・食欲の大きな変化
  • ④罪悪感・自己無価値感
  • ⑤集中困難
  • ⑥焦燥感・過覚醒
  • ⑦侵入的記憶や悪夢

上記が2項目以上ほぼ毎日で生活に支障があるときは、産婦人科・精神科・心理の専門家にご相談ください。

将来の妊娠計画と避妊について

術後すぐに妊娠可能な状態となりますので、ミレーナ(子宮内避妊具)やピル、緊急避妊の可否などを医師とあらかじめ相談しておくと安心です。妊娠を希望される場合は、次周期以降に葉酸摂取・性感染症検査・基礎疾患コントロールなどの準備を始めていきます。

安全な医療へのアクセスが最重要です

世界的には、法的・経済的・地理的な制約によって安全な中絶が受けられず、不衛生・違法な環境での中絶が妊産婦死亡と罹患の重要な原因となっております。安全でタイムリー、費用負担が適切で、尊重あるケアへのアクセスが公衆衛生上きわめて重要です。

参考文献(主要エビデンス)

  1. National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. The Safety and Quality of Abortion Care in the United States(2018)
  2. ACOG. Identifying & Combating Abortion Myths / Tool Kit(不妊リスク・直後の妊娠可能性)
  3. UCSF/ANSIRH Turnaway Study:中絶後5年の意思決定満足度・否認群の不利益。
  4. American Psychological Association:中絶とメンタルヘルスの科学的整理。}
  5. WHO Abortion Fact Sheet:安全でない中絶の公衆衛生的影響。


中絶手術関連ページ