
生理が長い・出血が多い原因と解決法
生理が長い・出血が多い原因と解決法
月経量が異常に多い場合を過多月経といい、出血が8日以上続く場合を過長月経といいます。
過多月経と過長月経は同時に起こることが多く、背景には子宮筋腫や子宮ポリープ、子宮内膜症など子宮・卵巣の病気が隠れていることも少なくありません。
またストレスなどでホルモンバランスが崩れ、過多・過長月経となることもあります。月経量が多く期間が長い状態が続くと貧血を起こしやすく、ほとんどの場合で治療が必要です。
◆正常な月経は、周期は約 21〜35日で出血日数は平均 3〜7日、出血量は一般的に 30〜80 mL 程度です。
血液は空気に触れると凝固しやすくなりますが、生理の血液には子宮内膜由来の分解酵素が含まれるため通常は固まりません。ところが出血量が極端に多いと分解酵素が不足し、固まり(血塊)が混じることがあります。
指先ほどの小さな固まりは一般に問題ありませんが、大きな塊が頻回に出る場合は過多月経が疑われますので受診してください。
子宮や卵巣に明らかな異常がない場合はホルモン検査を行います。異常があればホルモン療法や漢方治療などを検討します。ストレスなどで一時的に出血量が増えたり期間が長くなることもあり、その場合も治療介入や貧血治療を並行します。
急に月経血量が増えたり期間が長くなった場合は、なんらかの病気が疑われます。代表的には子宮筋腫や子宮内膜症、そのほか子宮体がん、子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、甲状腺疾患などが原因となることがあります。
ひとつでも当てはまれば、過多月経・過長月経の可能性があります。お気軽にご相談ください。
治療方法は、原因、出血の重症度、年齢、妊孕性(将来の妊娠希望)、全身状態(貧血の有無など)によって異なります。
月経ではない性器出血を不正出血といいます。おりものへの混入から月経様の出血まで様々で、区別がつかないこともあります。出血量次第では貧血になることも。
月経は子宮からの出血ですが、不正出血は外陰・膣・子宮頸部・子宮・卵巣・卵管など様々な部位が原因となり得ます。最も多いのは排卵性出血(月経と月経の間に1〜3日少量出血)で、ストレスや着床時出血でも生じることがあります。一方で病気が原因のことも少なくありません。
原因となる病気には子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープ、クラミジア頸管炎、子宮頸がん、子宮体がん、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎、子宮筋腫などがあります。いずれも適切な診断と治療が必要です。
不正出血があっても必ず治療が必要とは限りませんが、正常か否かの判断は自己判断が難しいため、見られた際はご相談ください。
はい。機能性要因(ホルモン異常・排卵異常など)や凝固異常、子宮内膜過形成など、構造異常がなくとも過多出血を来す場合があります。
日本での臨床研究では、PBACスコア(出血量の指標)が159.0 → 6.0に改善した例など、非常に良好な出血抑制効果が報告されています。
ホルモン療法や子宮鏡下手術(ポリープ切除など)は比較的選択しやすく、筋腫摘出や温存的治療が選ばれることもあります。個別にリスクと効果を検討して決めます。
持続的な大量出血は鉄欠乏性貧血を招き、生活の質を低下させます。原因が悪性疾患である場合、発見の遅れという重大なリスクもあります。<