女性ホルモンは増やせる?サプリの効果はある?|シュシュレディースクリニック 戸田公園|埼玉県戸田市の婦人科・美容皮膚科

         
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女性ホルモンは増やせる?サプリの効果はある?

女性ホルモンは増やせる?サプリの効果はある?|シュシュレディースクリニック 戸田公園|埼玉県戸田市の婦人科・美容皮膚科

女性ホルモンは自力で増やせる?

結論:自力で増やすことはできないが、補充したり症状を改善する方法はある

女性ホルモンは自力で増やせる?

食事・運動・睡眠などが身体の調子を整えることは確かですが、ホルモンそのものの分泌量をコントロールすることは不可能です。
ホルモンは脳の視床下部・下垂体、そして卵巣で精密に調整されています。そのためサプリなどで増やすことは不可能なのです。
ただし安心してください。女性ホルモン低下による不調は、ホルモン補充療法(HRT)・低用量ピル・漢方・プラセンタ注射などで対処が可能です。
更年期・PMS・不眠・気分の落ち込みなどで「もっと早く相談すればよかった」と言う患者さんも多いため、ぜひ一度ご相談ください。

そもそも女性ホルモンが少ないとどんな症状が出るの?

症状一覧

  • 月経周期の乱れ(遅れる・早まる・止まる)
  • イライラ・情緒不安定
  • 頭痛・肩こり
  • 睡眠障害(寝つきにくい/途中で起きる)
  • ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)
  • 肌荒れ・乾燥
  • 膣乾燥・性交痛
  • 性欲低下
  • 疲労感・集中力低下

長期的に起こり得るリスク

  • 骨粗しょう症
  • 動脈硬化
  • 高脂血症
  • 体重増加しやすくなる

代表的な治療方法

① ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT: Hormone Replacement Therapy)とは、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を補充し、
更年期症状を和らげる治療です。当院でも更年期障害の主要な治療として行っています。

薬には飲み薬・貼り薬・ジェル製剤があります。飲み薬は毎日の内服が必要なため、飲み忘れが多い人には不向きです。
一方、貼り薬は肌が弱い方や汗で剥がれやすい方にはおすすめできません。

期待できる効果

  • のぼせ・発汗・動悸の改善
  • イライラ・気分の落ち込みの軽減
  • 膣乾燥の改善
  • 骨粗しょう症予防

医師が上記の状態に合わせて貼り薬・飲み薬・ジェルを調整します。

② 低用量ピル(OC/LEP)

低用量ピルは更年期というよりPMS(月経前症候群)の改善に有効です。
PMSと更年期は症状が似ているため、診察の上でどちらが向いているか判断します。

期待できる効果

  • PMS改善
  • 月経不順改善
  • 生理痛改善
  • 肌荒れ(ニキビ)改善

③ 漢方薬

漢方薬はホルモン療法やプラセンタが使いにくい方にも向いています。
更年期障害でよく使われる代表的な漢方は以下です。

  • 当帰芍薬散(虚弱体質・冷え・疲れやすい方)
  • 加味逍遥散(不安・不眠など精神症状が強い方)
  • 桂枝茯苓丸(のぼせ・下腹部痛・実証傾向の方)

どの漢方が合うかは診察で判断します。

④ プラセンタ注射

国内の安全なヒト胎盤を原料に作られた注射薬で、アミノ酸などを多く含みます。
更年期症状の緩和のほか、肝炎・胃潰瘍・肩こり・不眠・花粉症など幅広い効果があることがわかっています。
ホルモン製剤ではないため、ホルモン療法が使用しづらい方にも使えますが、注射が苦手な方・定期通院が難しい方には不向きです。

期待できる効果

  • 疲労
  • 肌荒れ
  • 自律神経の乱れ
  • 更年期症状

開始2ヶ月ほどは週2回が推奨ですが、無理のないペースで続けることが大切です。

⑤ 生活習慣の調整(自分だけでできること)

ホルモンの“分泌量そのものは変えられません”が、卵巣機能を弱らせない生活は有効です。

  • 睡眠の質を上げる
  • 過度なダイエットを避ける
  • 適度な運動
  • ストレスケア

医療+生活習慣の両方で整えることで、改善スピードが上がります。

女性ホルモンを増やすサプリは効果ある?

結論:医学的エビデンスはほぼありません。
「女性ホルモンを整える・増やす」というサプリは多いですが、婦人科の臨床現場では
サプリで女性ホルモン(エストロゲン)を増やすことは不可能です。

なぜサプリで女性ホルモンは増えないのか?

  1. 食べ物・栄養素ではホルモン分泌は増えない
    ホルモンは神経内分泌システムによって管理されているため、サプリで「分泌量を増やす」ことはできません。
  2. 植物性エストロゲンは人のエストロゲンとは違う
    イソフラボンなどは“エストロゲン様”作用を持つだけで、卵巣のホルモン分泌を増やすわけではありません。
  3. 臨床試験レベルのデータが少ない
    サプリは食品扱いであるため、医薬品のような高品質な臨床研究がほぼありません。

女性ホルモンが減る原因

  • 加齢(更年期)
  • 過度なダイエット
  • 睡眠不足
  • 慢性的なストレス
  • 過激な運動
  • 甲状腺の病気
  • 低栄養
  • 産後のホルモン変化

自力で「増やす」ことはできませんが、上記の原因に合わせた治療でほとんどのケースで改善が可能です。

いつ病院に行くべき?

次の項目に1つでも当てはまる場合は婦人科受診をおすすめします。

  • ・月経が3ヶ月以上来ない
  • ・急にホットフラッシュや発汗が増えた
  • ・PMSがつらく仕事に支障がある
  • ・急にイライラ・気分の落ち込みが強くなった
  • ・膣の乾燥・性交痛がある
  • ・肌荒れや抜け毛が急激に増えた

女性ホルモンの状態は自己判断に限界があります。
血液検査などで客観的に把握し、その方に合った治療を選択することが大切です。