
子宮ポリープとは?
子宮ポリープとは?
子宮の粘膜が一部だけ盛り上がってできる良性の「できもの」です。多くはがんではありませんが、まれに悪性が紛れることもあるため、検査で確認することが大切です。
項目 | 子宮頸管ポリープ | 子宮内膜ポリープ |
---|---|---|
できる場所 | 子宮の入口(頸管) | 子宮の内側(内膜) |
主な原因 | 慢性的な炎症・刺激、ホルモン変動 | エストロゲン影響、ホルモンバランス、慢性炎症 |
よくある症状 | 不正出血、性交後出血、茶色いおりもの | 不正出血、月経過多・過長、茶色いおりもの、不妊 |
検査 | 視診(腟鏡)・細胞診 | 経腟エコー・子宮鏡・組織検査 |
治療 | 外来で根元を把持して切除(日帰り) | 子宮鏡下切除(15〜30分、日帰り可能) |
妊娠への影響 | 大きいと出血の原因。妊娠中は医師判断で経過観察 | 着床障害の原因になり得る。切除で妊娠率改善のことあり |
子宮頚部の粘膜の一部が増殖して、茎を持った突起となって子宮口から垂れ下がってきます。
突起は一個のこともあれば、数個発生することもあり、大きさも数から親指大のものまでとさまざまです。深紅色のやわらかい組織で、さわると簡単に出血しますので、
セックスや激しいスポーツのあとに出血したり、おりものが増えたりすることがありますが、まったく自覚症状のない人もたくさんいます。
ポリープ自体は、それほど心配ないのですが、不正出血は不快ですし、不安でもあります。
また、まれにがんがポリープのように見えることもあるので、ある程度大きいものや出血があるときには治療をすすめます。
治療は、ポリープを茎の部分でねじ切るのですが、痛みはなく、麻酔をかける必要もないので、ほとんどが外来で行われます。
子宮頚管ポリープのほとんどは良性ですが、念のために切除した組織を検査して、悪性の細胞が含まれていないかどうかを調べます。
当日 |
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1週間程度 |
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再発 | まれに再発あり。定期検診でフォロー |
子宮体部の内膜に発生するポリープです。主にエストロゲンの過剰放出によって、子宮内膜が異常に増殖して発生します。自覚症状としては、過多月経や不正出血がみられることがあります。
子宮体がんとの鑑別が必要頚管ポリープと同様、切除します。
こちらも良性の腫瘍ですが、子宮体がんも茎を持ったポリープ状の形に増殖することがあるので、切除したポリープの組織検査をして、良性か悪性かを判定する必要があります。
項目 | 内容 |
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麻酔 | 当院では、全身麻酔と子宮のブロック麻酔を併用した無痛手術 |
時間 | 約15〜30分 |
入院 | 日帰り〜一泊 |
回復 | 痛み・出血は軽度。子宮の入り口を拡げる前処置は、痛みを伴うため行いません。多くは翌日から通常通り生活可能 |
病理検査 | 切除標本を検査し悪性を除外 |
とくに子宮内膜ポリープは、受精卵の着床を妨げることがあり、不妊治療中の方では切除によって妊娠率が改善するケースがあります。子宮頸管ポリープは妊娠中に大きくなることがあるため、医師と相談のうえで経過観察や処置を判断します。
小さく無症状のものは自然退縮することもありますが、出血や妊娠への影響がある場合は切除が勧められます。まずは受診ください。
外来切除・子宮鏡下切除ともに痛みは軽度で、処置時間も短いのが一般的です。
再発はまれですがゼロではありません。定期検診で早期に確認できます。