
中絶時の後遺症や合併症の可能性
中絶時の後遺症や合併症の可能性
方法 | 合併症(全体) | 重大合併症の代表値 | 補足 |
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薬物中絶(初期) | 数%前後 | 0.5%未満とする報告が中心 | 週数・診療体制により異なります。 |
吸引法(初期・外来) | 1〜2%程度 | 0.1〜0.3%未満(入院・輸血等) | 熟練度や超音波使用で差があります。 |
※数値は海外の臨床データの代表値を要約しています。実際のリスクは妊娠週数、既往歴、医療体制で変わります。
症状 | タイミング | 初期対応 |
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出血(生理〜やや多い) | 数日〜2週間 | ナプキン交換で様子をみます。万が一出血が続くときは受診してください。 |
下腹部痛・子宮収縮痛 | 数日 | 鎮痛薬で軽減します。激痛・発熱・悪臭のある出血は感染の可能性があるため受診してください。 |
不全流産・持続妊娠 | 〜2週間 | 超音波で問題がないか確認します。 |
参考:米国アカデミーズ総括・方法別安全性レビュー。
現時点の学会・公的機関の見解では、中絶が将来の不妊を増加させるという因果関係は支持されていません。また、中絶後はすぐに排卵が再開して妊娠するケースが多いので、避妊の準備を早めに整えることをおすすめします。
心理的影響には個人差がありますが、中絶そのものが精神疾患の原因になるという一貫した証拠はありませんと専門学会は整理しています。望んだ中絶を受けられなかった場合には、経済・健康・安全面での不利益が大きいことが長期追跡のデータで示されています。
状態 | 自宅ケア可 | 24時間以内に相談必須 | 至急/救急連絡を |
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出血 | 生理〜やや多い | 1時間に1枚が3時間以上 | 1時間に2枚以上が2時間以上/失神感 |
発熱 | なし〜37.9℃ | 38.0℃が半日以上 | 38.5℃以上+悪寒や悪臭帯下 |
痛み | 市販鎮痛で軽快 | 鎮痛でも強い痛みが続く | 急激な激痛/右肩痛(子宮外妊娠疑い) |
メンタル | 軽い気分の波 | 不眠・不安が続き生活に支障 | 自傷念慮/フラッシュバックが強い |
上記が2項目以上ほぼ毎日で生活に支障があるときは、産婦人科・精神科・心理の専門家にご相談ください。
術後すぐに妊娠可能な状態となりますので、ミレーナ(子宮内避妊具)やピル、緊急避妊の可否などを医師とあらかじめ相談しておくと安心です。妊娠を希望される場合は、次周期以降に葉酸摂取・性感染症検査・基礎疾患コントロールなどの準備を始めていきます。
世界的には、法的・経済的・地理的な制約によって安全な中絶が受けられず、不衛生・違法な環境での中絶が妊産婦死亡と罹患の重要な原因となっております。安全でタイムリー、費用負担が適切で、尊重あるケアへのアクセスが公衆衛生上きわめて重要です。
現時点のエビデンスでは、一貫した増加は確認されていません。他の因子(喫煙・感染症・子宮形態など)の影響が大きいと考えられます。
上げません。因果関係は認められていません
早ければ直後の周期から排卵が再開して妊娠し得ます。避妊の準備をおすすめします。
一過性のストレス反応は見られますが、臨床的PTSDは少数で、時間とともに減少する傾向が報告されています。心配が強いときは早めに専門家にご相談ください。