第37回 日本性感染症学会で演題発表しました!
- 2024年12月30日
- 医療コラム
先日、沖縄県で開催されました第37回 日本性感染症学会学術集会に参加して、演題発表してまいりました。
「当院におけるM. genitalium 陽性検出率および治療経験」という演題名で発表いたしました。
「M. genitalium」とは、日本語で「マイコプラズマ・ジェニタリウム」という菌の名前です。
この菌は、まだ認知度は低いですが、実はクラミジアや淋菌と同じく性交渉によって感染する菌です。
症状はクラミジアによく似ていて、女性ではおりものの増加、悪臭、不正出血の原因になります。男性では、排尿時違和感、排膿、睾丸痛などの症状があります。
感染経路は性交渉以外には無く、男性も女性も将来的に不妊症との関連性もあり、性感染症としての治療が必要になります。
ただ、抗生剤に抵抗する「耐性菌」に変化することから、治療が難しいのが厄介です。
私は以前から、の書籍を発刊し、この菌の危険性について啓蒙していました。
しかし、いまだに認知度は低く、医療従事者ですら正しい知識を持たずに検査治療をしているところもあり、やみくもに抗生剤を使用することでさらに耐性化が進む危険性をはらんでいます。
耐性菌になってしまうとなかなか治癒まで導けないことも多く、これ以上は治療できないとして匙を投げられてしまい、救いを求めて当院にいらっしゃる患者様がとても多いです。
そういう中で、今回の学会では、全国の医療機関からM. genitaliumについての臨床研究の演題発表があり、特に治療についての発表も多く非常に興味深かったです。
私の演題発表は、当院で治療ですんなり治癒した方から、何回治療しても治らない難治だった方も含めて発表させていただきましたが、当院を受診した方は治癒までの時間はそれぞれですが、すべての方を治癒まで導くことができています。
今後も、M. genitaliumを中心に学会発表にも力を入れていきたいと考えています。
余談になりますが、沖縄には飛行機の到着遅れで発表の前日の夜中に到着し、午前中に自分の発表をして、他の方の演題発表を聞いて夕方の便で戻りましたので、まったく沖縄を満喫できませんでしたが、唯一那覇空港で「ソウキソバ」が食べられたので良かったです。
さて、みなさんは「性感染症認定医」という資格があるのをご存じでしょうか?
「性感染症認定医」は全国で500名弱とかなりレアな存在です(私もその一人です)が、その性感染症認定医は性感染症についての知識をしっかり身に着け、臨床経験豊富な少数精鋭の医師が認定医試験に合格して得られるものです。
「もしかしたら性病にかかったかも・・・」と不安になった場合には、正しい知識をもった性感染症認定医のいる病院にかかることをお勧めします。